歯の根元が黒いのは虫歯?原因や治療法・予防法を詳しく解説!
歯の根元が黒くなってしまう症状には、虫歯や歯周病、ブラックマージン、着色汚れなどさまざまな原因が挙げられます。
この症状を改善するためには、原因に合った治療を行うことが大切です。
この記事では、歯の根元が黒くなる原因について詳しく解説します。
歯の根元が黒いときの治療法や黒くなるのを予防する方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
歯の根元が黒い原因
歯の根元が黒い原因は6つ挙げられます。
- 虫歯
- 歯周病(黒い歯石)
- 歯に亀裂が入っている・折れている(外傷性破折)
- ブラックマージン(ブラックライン)
- メタルタトゥー
- 着色汚れ
ここでは上記6つの原因についてそれぞれ解説します。
虫歯
歯の根元が黒くなる原因の一つとして、虫歯が挙げられます。
虫歯が進行して内側まで虫歯菌が到達すると、歯が黒くなってくることがあります。
虫歯は進行すると歯が黒くなるだけでなく、食べ物や飲み物が歯に当たった際にしみたり痛みを感じたりすることがあるため注意が必要です。
さらに進行すると最悪の場合抜歯に至ることもあるため、虫歯は早期治療が重要となります。
歯周病(黒い歯石)
歯周病は歯と歯の間に細菌が溜まり、歯茎が炎症を起こす病気です。
歯周病の症状には歯茎の腫れや出血などがあり、歯についた歯石に血が混ざることで根元が黒く見えることがあります。
血液に含まれる鉄分の色が黒いため、歯石が黒く着色されてしまうのです。
歯と歯茎の間にある歯石は通常見えませんが、歯周病の進行によって歯茎が下がることにより見えてくることがあります。
また歯周病は進行すると徐々に歯がぐらついてきて、最悪の場合自然と歯が抜け落ちてしまいます。
もし歯の根元に黒い歯石が見えたら、歯周病を疑うべきでしょう。
歯に亀裂が入っている・折れている(外傷性破折)
歯の根元が黒く見える原因として、歯に亀裂が入ったり折れたりしている外傷性破折が挙げられます。
外傷性破折は転倒や事故により起こるもので、歯への衝撃が強く神経にまでダメージが及ぶと、歯の神経が死んでしまうことがあります。
神経が壊死した部分と血液成分が結合することによって硫化鉄が作られ、これにより歯の根元が黒くなることがあるのです。
ブラックマージン(ブラックライン)
ブラックマージン(ブラックライン)は被せ物をした歯で発生する症状です。
これは被せ物の内側に含まれる金属が露出や腐食、錆が生じることにより、歯茎の境目が黒くなってしまうものです。
金属が使用されている硬質レジン前装冠や銀歯などの被せ物を装着していると、経年変化により徐々に歯茎の境目にブラックマージンが発生してきます。
また歯茎の退縮が進むと差し歯の境目が露出することがあり、被せ物に使用している金属が徐々に見えてきます。
この金属の影によって歯の根元が黒く見えてしまうこともあるのです。
メタルタトゥー
メタルタトゥーは、詰め物や被せ物に使用している金属から溶けだした金属イオンが歯茎に沈着し、歯の根元が黒く見える症状です。
金属製の詰め物や被せ物はメタルタトゥーのリスクが高い傾向にあります。
着色汚れ
普段の食生活の影響で歯の根元に着色汚れが生じ、黒く見えることがあります。
着色汚れは色の濃い飲み物や食べ物により生じやすく、具体的には以下のようなものが挙げられます。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- ワイン
- カレー
- スパゲティナポリタンなど
コーヒーやお茶に含まれるタンニンは着色汚れの原因となるため、よく飲んでいる人は特に注意が必要です。
また飲食物だけでなく、タバコによって着色汚れが生じることもあります。
タバコに含まれるニコチンやタールなどの成分は、歯の表面に付着して着色汚れの原因となるのです。
着色が積み重なると頑固な汚れとなり、歯科医院のクリーニングでも取りづらくなってしまいます。
歯の根元が黒いときの治療法
歯の根元が黒い時の治療方法は以下の通りです。
- 虫歯を治療する
- 歯周病を治療する
- 亀裂の入った歯・折れた歯を治療する
- 詰め物・被せ物を交換する
- レーザーや薬剤で歯茎の黒ずみを除去する
- 歯をクリーニングする
ここでは上記6つの治療方法についてそれぞれ解説します。
虫歯を治療する
虫歯が原因で歯が黒くなってしまっている場合は、虫歯を治療することで改善されます。
虫歯の進行度を診断し、その進行度に適した治療を行う必要があります。
各進行度の治療方法は以下の通りです。
進行度 | 歯の状態 | 症状 | 治療方法 |
---|---|---|---|
C0 | 歯のエナメル質がわずかに脱灰した状態 | 自覚症状はほとんどない | プラークコントロール、フッ素塗布など |
C1 | エナメル質内部まで虫歯菌が到達した状態 | 自覚症状はほとんどない | プラークコントロール、フッ素塗布、シーラントなど |
C2 | 象牙質まで虫歯菌が到達した状態 | 冷たいもので痛みを感じる | 虫歯部分を取って詰め物を詰める |
C3 | 歯の神経まで虫歯菌が到達した状態 | ズキズキと痛みを感じる | 根管治療(神経を取って防腐剤を詰める治療) |
C4 | 歯が崩壊して根だけが残った状態 | 腫れて強い痛みが出ることがある | 根管治療、抜歯 |
歯の根元が黒くなったらまずは歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。
歯周病を治療する
歯周病が原因の場合は、歯周病の治療が必要です。
歯周病の原因となっている歯垢や歯石を取り除く『歯周基本治療』が主な治療方法となります。
これは患者さん自身が行う『セルフケア(ブラッシング)』と歯科医院で行う『プロフェッショナルケア』を組み合わせたものです。
これらの治療によって歯垢や歯石を取り除くことで、歯周病を改善できます。
しかし歯周病は歯垢だけでなく、喫煙や糖尿病などほかの原因も絡み合って悪化していることが多いです。
そのため歯周病を悪化させている原因を突き止め、セルフケアやプロフェッショナルケアと並行してそちらの治療も進めていく必要があります。
亀裂の入った歯・折れた歯を治療する
転倒や事故により歯に亀裂が入ったり折れたりした場合は、その歯の治療を行う必要があります。
現状、外傷性破折に対する治療法は確立されておらず、抜歯を行うのが一般的です。
しかし、口腔内接着法や口腔外接着法、歯周外科処置によるクラウンレングスニングなどの治療が可能な場合もあります。
- 口腔内接着法:根管治療後に接着処置をして歯を保存する方法
- 口腔外接着法:意図的に抜歯後、口腔外で接着処置をした後に再植して歯を保存する方法
- 歯周外科処置によるクラウンレングスニング:根管治療後に歯周外科処置を行い、クラウン修復をして歯を保存する方法
歯科医院の治療方針にもよりますが、歯の状態によっては上記のような方法で自分の歯を残せる場合もあります。
抜歯が必要となった場合は、抜歯後にインプラントやブリッジ、入れ歯などにより歯を失った部分を補います。
詰め物・被せ物を交換する
詰め物・被せ物と歯の間に隙間があると、そこから虫歯菌が入り込んで歯が黒くなることがありますが、この症状は詰め物・被せ物を交換することで改善されます。
具体的には金属フレームを使用した被せ物の使用は避けたり、被せ物と歯の隙間が合わないように治療を行ったりすることが挙げられます。
詰め物・被せ物と歯をぴったり密着させるためには、精度の高い形態の被せ物を使用したり技術力の高い医師のもとで治療を受けたりすることが大切です。
レーザーや薬剤で歯茎の黒ずみを除去する
詰め物・被せ物に含まれる金属により生じるメタルタトゥーが原因の場合は、レーザーや薬剤で歯茎の黒ずみを除去する治療方法が有効です。
特徴 | リスク・副作用 | |
---|---|---|
レーザー | レーザーを用いて金属イオンや金属粒子が入り込んだ深部結合組織まで歯茎を蒸散させて黒ずみを改善する | 歯茎が薄い場合は歯茎が痩せたり変形したりすることがある |
薬剤 | 歯科用薬剤により歯茎を火傷のような状態にさせて上皮の入れ替えを促す | ピリピリとした痛みが生じる場合がある |
上記を見てわかる通りそれぞれの治療方法にはリスクや副作用があるため、医師と相談のうえで検討してみましょう。
歯をクリーニングする
飲食物やタバコなどによる着色汚れが原因の場合、歯科医院で行うクリーニングにより改善できます。
歯科医院で行うクリーニングには保険診療と自由診療がありますが、着色汚れの除去を目的としたクリーニングは自由診療となります。
自由診療のクリーニングには歯石除去や着色除去、PMTC(専門的器械的歯面清掃)などがあり、患者さんの口腔内の状態にあった治療を受けることが可能です。
また歯科医院でのクリーニングは歯磨きでは落とせない歯石や歯垢を取り除けるため、虫歯・歯周病予防や口臭予防にもつながります。
歯の根元が黒くなるのを予防する方法
歯の根元が黒くなるのを予防する方法は3つ挙げられます。
- 毎日丁寧に歯磨きをする
- 歯科医院で定期検診を受ける
- 金属を使わない方法で治療する
ここでは上記3つの方法についてそれぞれ解説します。
毎日丁寧に歯磨きをする
歯の根元が黒くなるのを予防するためには、毎日丁寧に歯磨きをすることが大切です。
毎食後の歯磨きを欠かさないのはもちろんのこと、夕食後は特に念入りに歯磨きをするように心がけましょう。
寝ている間は唾液の分泌量が低下する影響で、虫歯菌が増えやすい状態になるためです。
また正しい歯磨きの仕方を身につけることも大切になります。
正しい歯磨きの仕方は以下の通りです。
- 歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に当てる
- 歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で動かす
- 5~10mの幅を目安に小刻みに歯ブラシを動かす
特に歯と歯の間や奥歯の噛み合わせ、歯と歯茎の境目、歯並びがデコボコしている部分は歯垢が溜まりやすいため、念入りに磨きましょう。
歯科医院で定期検診を受ける
歯科医院で定期検診を受けることで、歯の根元が黒くなる原因となり得る虫歯や歯周病の予防・早期発見につながります。
歯科医院によって推奨される頻度は異なりますが、一般的には3か月に1回程度のペースで通うことが推奨されます。
歯科医院では歯磨きでは落とせない歯垢や歯石を除去できるクリーニングも行っているため、定期検診と合わせて検討してみてください。
金属を使わない方法で治療する
金属を使用した詰め物や被せ物はブラックマージンやメタルタトゥーの原因となるため、金属を使わない方法で治療することでそれらを予防することができます。
金属を含まない詰め物や被せ物には以下のようなものが挙げられます。
- オールセラミッククラウン:セラミックでできた被せ物で、審美性に優れており変色したり汚れがついたりするリスクが少ない
- ジルコニアクラウン:人工ダイヤモンドと呼ばれるジルコニアでできた被せ物で、強度が強く奥歯にも使用できる
- セラミックインレー:セラミックでできた詰め物で、変色したり汚れがついたりするリスクが少ない
詰め物・被せ物に様々な種類があり、特徴やメリット・デメリット、費用などが異なります。
医師と相談しながら、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
歯の根元が黒くなる原因には、虫歯や歯周病、外傷性破折、ブラックマージン、メタルタトゥー、着色汚れなどが挙げられます。
これらが原因で歯の根元が黒くなった場合は、虫歯や歯周病の治療、外傷性破折の治療、詰め物・被せ物の交換、レーザーや薬剤による歯茎の黒ずみ除去、歯のクリーニングなどにより改善することが可能です。
ラビット歯科では歯を綺麗にするための治療を行っており、詰め物や被せ物を変えたい場合には、保険適用のCAD/CAM冠治療も行えます。
歯を白くするホワイトニングも行っているため、歯の着色汚れなどに悩んでいる方はぜひお気軽にご相談ください。