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歯医者でできる歯石取りとは?特徴や種類・頻度などを紹介

2024.09.13

歯石は通常の歯磨きでは除去できないため、健康な口内を維持するためには歯医者での定期的な歯石取りが必要不可欠です。

歯医者に通うのが苦手という人もいますが、歯石取りは口内に発生するあらゆるトラブルを防ぎ健康に保つために有効な治療とされています。

この記事では、歯医者でできる歯石取りについて紹介します。

種類や特徴のほか、有効な治療回数も紹介するため、歯石取りについて知りたい人や治療を考えている人はぜひ参考にしてください。

歯石の特徴

ここからは、歯石の種類やデメリット、自分で歯石除去を行うリスクなどについて紹介します。

歯石とは

歯石とは、口内に形成されたプラーク(歯垢)がカリウムやカルシウムなどのミネラルと結びついて石灰化し、沈着したものです。

おもに以下のような過程を経て形成されます。

  1. プラークが蓄積される
  2. プラークに含まれる細菌が酸を生成する
  3. 酸によって歯のエナメル質が溶ける
  4. 溶解したエナメル質の表面にミネラルが沈着する
  5. 歯石が形成される

飲食物や細菌、唾液などが混ざると、口腔内ではプラーク(歯垢)と呼ばれる物質が形成されます。

プラークは歯の表面や歯周ポケットに付着し、蓄積しやすいです。

蓄積したプラークには数多くの細菌が含まれていて、これらは糖分をエネルギーにして成長する過程で酸を生成します。

すると、歯の表面のエナメル質が菌が産生した酸によって溶けだし、脱灰が起こります。

脱灰は、虫歯の原因にもなる現象です。

脱灰したエナメル質に唾液中のミネラルが沈着すると、硬化して歯に付着した状態になりますが、これが時間を経て繰り返されると、歯石が形成されていきます。

プラークはブラッシングで除去できますが、毎日欠かさず歯磨きをしていても完全にきれいにすることはむずかしく、歯石になるとセルフケアでは落とせません。

そのため、歯石がゼロの状態を保つことは非常にむずかしく、歯医者での定期的な歯石取りの治療が推奨されます。

歯石の種類

歯石は、歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の2つに分類されます。

歯肉縁上歯石は、歯茎より上の部分に生じる歯石で、乳白色や黄ばんだ白色のような色が特徴です。

唾液腺の近くや目に見える部分にできやすく、舌で触るとザラザラとした感触があります。

位置的にブラッシングで予防しやすいほか、やわらかい歯石であるため、除去は比較的容易にできます。

歯肉縁下歯石は、歯と歯茎のあいだの歯周ポケットといわれる部分に生じる歯石で、歯医者で検査をしないと付着の有無が確認できません。

黒っぽい色の歯石で、歯磨きでは落とせない場所に沈着したプラークから生じます。

歯肉縁下歯石はブラッシングが届きづらい場所に付着するため、セルフケアで発生を防ぐのには限界があります。

歯肉縁上歯石と比較して形成されるスピードは遅いですが、非常に硬いため、沈着すると除去するのがむずかしいです。

歯石があることで生じるデメリット

付着した歯石を放置すると、以下のように多くのデメリットが生じるリスクがあります。

  • 歯周病を引き起こす
  • 口臭の原因になる
  • 歯列の見た目が悪くなる
  • 歯磨きの効果が弱くなる

発生した歯石を放置すると口内の健康を害するおそれがあるほか、見た目にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、歯石がたまることでさらにブラッシングが隅々まで行き届かなくなり、新たな歯石の発生を促進し悪循環に陥ります。

歯石が多くたまり重度の歯周病を引き起こすと、悪くなった歯並びがもとに戻らなくなる可能性もゼロではありません。

歯石がたまることは多くの口内トラブルにつながるほか、悪化した歯周病によって全身症状が引き起こされるリスクも高まります。

また歯石は目に見えない部分にも蓄積しやすく、口臭や歯列の見た目が気になって歯医者を受診した際にはすでに多くの歯石が沈着している可能性があります。

そのため、定期的に歯医者で歯石取りの治療をするのが有効です。

自分で歯石を取るのは危険

歯石取りは自分で行うことができますが、以下のように危険な理由があるためおすすめできません。

  • 歯や歯茎を傷つけるリスクがある
  • 歯石を歯茎の奥へ押し込んでしまう可能性がある
  • 歯石がきれいにとりきれず、さらに蓄積しやすい

自分で歯石を除去する方法は、口内を傷つけて炎症を悪化させる可能性があります。

市販されている歯石取りの器具は、歯石をそぎ落とすために尖ったつくりをしていて、操作を誤ると歯肉を傷つけるほか、正常な歯を削ってしまうリスクが高いです。

つまようじや爪を使って歯石をひっかくのも同様に、健康な歯や歯肉を損なってしまうおそれがあります。

また、セルフでの歯石取りはむずかしいため、取り出すつもりが奥のほうへ歯石を押し込んでしまう可能性があります。

歯石が奥へ入り込んでしまうと、結局自分で取り出せずに歯医者を受診する事態になるほか、しなくて済んだはずの大きな施術が必要になる可能性があります。

さらに自分で行う歯石取りは、歯石が蓄積しやすい状態をつくりだす可能性が高いです。

歯医者での歯石取りでは、歯の表面を滑らかにしてその後歯石が蓄積しにくい状態に仕上げてくれます。

しかし自分で歯石取りを行うと、とりきれなかった歯石が歯の表面にざらついて残るため、そこにプラークが付着することでまたすぐに歯石が形成されてしまいます。

そのため、いずれの場合でも安全に歯石を除去するためには必ず歯医者を受診しましょう。

歯医者で行う歯石取りとは

ここからは、歯医者で行う歯石取りの内容と手順について紹介します。

なお、お口の中の状態によっても必要な検査や処置は変わるため、気になる方は事前に歯科医師に確認しておきましょう。

検査

最初に口腔内の状態を検査します。

レントゲン検査では歯の状態だけではなく、歯茎や顎骨の状態も調べることが可能です。

歯周ポケットの深さや出血の有無などの検査は、先端が細く尖った器具を用いて行います。

スケーリング

スケーリングとは、おもに歯肉縁上歯石の除去を目的とした処置を指します。

スケーラーと呼ばれる器具を用いて、見える部分のプラークや歯石、バイオフィルムなどを取り除きます。

スケーラーには手で動かすタイプや超音波によって歯石を除去するタイプなど、さまざまな種類があるため、口腔内や歯石の状態によって使い分けが可能です。

ルートプレーニング

ルートプレーニングとは、おもに歯肉縁下歯石の除去を目的とした処置を指し、中等度以上の歯周病で必要となるケースが多いです。

歯根に付着した歯石や細菌によってつくりだされる汚染セメント質を除去し、プラークが蓄積しにくいように歯根の表面を滑らかにします。

ルートプレーニングを行うことで歯周ポケットの回復が見込めますが、痛みが起こることがあるため局所麻酔を使用するケースがあります。

フラップ手術

通常のスケーリングやルートプレーニングによって除去しきれない部分に歯石がある場合や炎症が改善されなかった場合は、フラップ手術を行います。

フラップ手術では、歯茎を切開することで入り組んだ形をしている歯周ポケットの深部の歯石まで除去が可能です。

歯根にこびりついたプラークや歯石を目視で確認しながら取り除いたあと、歯面を滑らかにしてから縫い合わせます。

歯医者で歯石取りをする頻度

歯医者で行う歯石取りの理想的な頻度は約3〜6ヶ月に1回で、定期検診の際に歯石の付着を早期発見できれば、歯周病予防のために適切な処置が受けられます。

しかしすでに歯周炎が発覚している場合は、以下のように治療完了までに要する歯石取りの回数が異なります。

軽度の歯周病:1~3回

歯周炎の状態が軽度の場合、1〜3回ほどの歯石取りで治療完了が見込めます。

付着した歯石を放置すると歯周病の悪化が懸念されるため、早めの受診が必要です。

軽度の歯周炎であれば、歯茎の炎症や出血の症状が歯石取りによってすぐに改善できる可能性があります。

治療後は適切なブラッシングやセルフケアを習慣づけるようにしましょう。

中度の歯周病:3~6回

歯周炎の状態が中度の場合、3〜6回ほどの治療を要します。

中等度の歯周炎では炎症の範囲が広がり、歯石が沈着しやすくなるため、取り除かないとますます歯周病が促進するリスクが高まります。

3,4ヶ月に1回の頻度での歯石取り治療が望ましいです。

歯周炎が進行すると、付着する歯石の量が増える可能性もあるため、1度の治療では完全に除去しきれません。

受診回数を重ねて数本ずつ治療するほか、器具を使い分け少しずつ丁寧に歯石を除去します。

歯周炎の状態によっては、歯肉を切開・切除して歯石取りを行うフラップ手術が必要になるケースがあります。

重度の歯周病:5~7回

歯周炎の状態が重度の場合、5〜7回ほどの治療を要します。

重度の歯周炎では歯槽骨が破壊され、歯が不安定な状態です。

さまざまな方法でプラークや歯石を取り除き、歯茎の深いところにまで広がっている炎症を鎮めます。

歯周病菌が深部まで侵入し活動範囲を広げているため、セルフケアやブラッシングなど自宅での過ごし方にも注意しながら菌の活性を抑制します。

歯周炎が重度まで悪化すると抜歯になる可能性があり、治療しても歯周病の完治はむずかしいです。

しかし歯石を除去し適切な治療を受けることで、症状を改善し健康な状態に近づけられます。

歯医者で歯石除去をすると出る症状

歯医者で歯石取りをすると、以下のような症状がみられるケースがありますが、いずれも一時的なものや、口内を健康な状態に近づけるために避けられない症状です。

出血

歯医者で歯石除去を行うと、出血をともなう場合があります。

歯石は歯茎に炎症を引き起こす原因となり、取り除いてもすぐに炎症が治まるわけではありません。

とくに歯周ポケットの深い部分に歯石が付着すると、歯茎の炎症も強くなるため出血しやすくなります。

歯茎が炎症している状態でクリーニングやブラッシングをすると出血する可能性がありますが、特別な処置をしなくても数日で治癒します。

歯石取りを行う前に歯磨きなどで口内をしっかりケアすることで、症状の軽減が可能です。

知覚過敏

歯石取りを行うと知覚過敏になる、または顕著になる可能性があります。

これは、歯石取りによって歯に刺激を伝える器官である象牙細管が露出することで敏感になるためです。

冷たい飲食物が歯の表面にあたった時以外にも、強く咀嚼した際などに痛みを感じるケースがあります。

一時的な知覚過敏であれば基本的には自然に治癒しますが、症状が改善しない場合や日常生活に支障をきたす場合は歯科医師に相談しましょう。

歯がグラグラする

重度の歯周病の方の場合、歯石取り後に歯がぐらついているように感じる場合があります。

これは歯に大量に付着していた歯石が除去されることで、歯周病によってぐらついていた歯の支えがなくなるためです。

歯石を除去することで歯のぐらつきがひどくなるということは、歯石がない状態では歯が支えられないほど歯周病が進行しているということになります。

歯垢や歯石の除去と合わせて、必要な歯周病の治療を行うことが大切です。

まとめ

今回は、歯医者でできる歯石取りについて紹介しました。

歯石がたまった状態で放置すると口臭や虫歯、歯周病の原因になるおそれがありますが、歯石を自分で除去するのは危険です。

自分で歯石取りを行うのは避け、歯医者で定期的に歯石除去を行うほか、適切な歯磨きや口腔ケアで健康な口内環境を維持しましょう。

ラビット歯科では、ひとりひとりの症状に合わせて痛くない歯石除去を行うほか、歯周病や口臭、知覚過敏の治療も行っています。

年齢を問わず、口内のお悩みがあるかたはお気軽にご相談ください。



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