セラミック治療とは?特徴やメリット・デメリットを詳しく解説
セラミック治療は、歯の審美性を高められる自費治療の一つです。
天然の歯に近い色味を持つ特徴があるため、保険適用の被せ物や詰め物の見た目に満足できない方におすすめです。
この記事では、セラミック治療の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
セラミック治療の種類やよくある質問もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
セラミック治療とは?
セラミック治療とは、セラミック(陶器素材)を用いた被せ物や詰め物を使用する治療方法です。
セラミックは天然歯と色味や質感が似ており、審美性に優れた自然な色調の人工歯を作成できます。
セラミック治療は主に以下のような歯に行われます。
- 虫歯で削った歯
- 変色してしまった歯
- 欠けてしまった歯
- 歯並びの悪い歯
- 過去に修復した部分のある歯
審美性を重視する方や金属アレルギーを心配する方などに適した治療方法です。
セラミック治療の種類
セラミック治療には以下の6つの種類があります。
- オールセラミック
- ジルコニア
- e-max(イーマックス)
- ハイブリッドセラミック
- メタルボンド
- ラミネートべニア
ここでは上記6つの種類についてそれぞれ解説します。
オールセラミック
オールセラミックは、セラミックのみで作られた被せ物や詰め物のことで、金属を一切使用しません。
自然な透明感と色合いを実現可能で、特に前歯の治療に適しています。
オールセラミックの最大の特徴は審美性です。
まるで本物の歯のような質感と透明感を持っているため、美しい仕上がりになります。
また金属が含まれないため、金属アレルギーの方にも安心して使用できます。
しかし強度が他のセラミックよりも低く、奥歯など強い力がかかる部位には向かないことがあるため、適用範囲に制約がある点には注意が必要です。
ジルコニア
ジルコニアはジルコニウムという物質をもとにしたセラミック素材で、非常に高い強度を持つため、奥歯の治療にも適しています。
ジルコニアは金属のように硬い素材でありながら、セラミック特有の自然な見た目を持っているのが特徴です。
そのため強度と美しさを兼ね備えた治療法として人気があります。
特にブリッジやクラウン、インプラントの上部構造に使用されることが多く、咀嚼に対する耐久性が求められる部分でも高い性能を発揮します。
また金属アレルギーの心配がなく、人体に対して安全な素材とされています。
e-max(イーマックス)
e-maxはガラスセラミックを使用した治療法で、非常に高い審美性と機能性を兼ね備えています。
この素材は透明感があり天然の歯に近い色合いや質感を持つため、高い審美性が求められる前歯の治療に適しています。
表面がツルツルとしているため、虫歯の原因となり得る歯垢や歯石などが付きにくい点も大きな特徴です。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン(合成樹脂)を組み合わせた素材で、柔軟性と強度を兼ね備えています。
天然の歯に近い硬さを持ち、噛み合わせの圧力を吸収しやすい特徴があります。
また審美性も高く、自然な色合いを持っているのもポイントです。
しかしレジンと組み合わせているため、純粋なセラミックに比べると若干変色しやすいデメリットがあります。
ただしその柔軟性と強度のバランスの良さから適用範囲が広く、幅広い治療に適しています。
メタルボンド
メタルボンドは中身を金属、外から見える部分にセラミックを使用し、強度と審美性を両立している治療法です。
金属フレームが内部にあるため、強度が高く、力がかかる奥歯にも適しています。
外側はセラミックで覆われているため、非常に自然な見た目を実現できます。
しかし金属フレームが露出することが稀にあり、その場合には審美性が損なわれる可能性がある点には注意が必要です。
メタルボンドは歴史が長く多くの実績がある治療法で、その耐久性と機能性から依然として多くの症例で採用されています。
ラミネートべニア
ラミネートべニアは、非常に薄いセラミック製のシェルを歯の表面に貼り付ける治療法です。
この方法は歯の色や形状を大きく改善することができます。
歯を大きく削ることなく装着できるため、元の歯への負担が少ないのも特徴です。
ラミネートべニアは、ホワイトニングでは改善できない歯の変色や、小さな欠け、歯と歯のすき間の調整などに非常に効果的です。
また短い治療期間で効果を実感できるため、忙しい方にも人気があります。
セラミック治療のメリット
セラミック治療には以下のようなメリットがあります。
- 天然の歯のような高い審美性がある
- 汚れや着色が付きにくい
- 二次虫歯になりにくい
- 劣化が起こりにくい
- 金属アレルギーでも使用可能(メタルボンドは除く)
ここでは上記5つのメリットについてそれぞれ解説します。
天然の歯のような高い審美性がある
セラミック治療は、天然の歯に似た高い審美性を持つことが特徴です。
透過性があり自然な歯の色合いを再現できるため、治療部位が目立たず、美しい仕上がりが期待できます。
またセラミックの色調は患者さんの歯に合わせて調整することができ、見た目の自然さをさらに高めることが可能です。
汚れや着色が付きにくい
セラミックは表面が非常に滑らかなため、汚れや着色が付きにくい特徴があります。
日常の飲食物や喫煙による着色、歯垢の付着などを効果的に防げるため、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。
例えばコーヒーやワイン、タバコなどに対しても強く、着色しづらいです。
正しい方法での歯磨きや定期的な歯科検診により、清潔で美しい歯を保つことができます。
二次虫歯になりにくい
セラミックは、他の材料に比べて二次虫歯のリスクが低いという利点があります。
セラミックはレジンセメントという接着剤によって歯にピッタリ接着するため、虫歯菌や歯垢が入り込む隙間が生じにくいのです。
特に虫歯が多い方や過去に虫歯治療を受けたことがある方にとって、セラミック治療は二次虫歯予防に大変有効な治療方法といえます。
劣化が起こりにくい
セラミックは非常に耐久性が高く、時間が経っても劣化しにくい素材です。
金属や樹脂を使用した治療と比べても優れた耐久性を持っており、劣化や摩耗による再治療のリスクを減少させることが可能です。
詰め物やクラウンに使用された場合でも、その美しさや機能性を長期間維持することができます。
金属アレルギーでも使用可能(メタルボンドは除く)
セラミック治療は金属アレルギーの心配がないため、アレルギーを持つ方でも安心して使用できます。
ただしメタルボンドでは金属を使用しているため、金属アレルギーの方には向いていません。
アレルギーがある方は治療前に歯科医と十分に相談し、適切なセラミック治療を選ぶことが大切です。
セラミック治療のデメリット
セラミック治療のデメリットは以下の3つが挙げられます。
- 自費治療のため費用が高額になる
- 歯を多く削る必要がある
- 強い衝撃で割れることがある
ここでは上記3つのデメリットについてそれぞれ解説します。
自費治療のため費用が高額になる
セラミック治療は保険適用外の自費治療のため、費用が高額になります。
治療の内容や使用するセラミックの種類によっても異なりますが、1本あたり数万円から十数万円かかることがあります。
費用が高額になるため、治療を受ける際には事前にしっかりとした資金計画を立てることが重要です。
中には分割払いを受け付けている歯科医院もあるため、予算に合わせた選択をするためにも、歯科医師と治療費や支払い方法について相談しておくとよいでしょう。
歯を多く削る必要がある
セラミック治療を行う際には、治療対象の歯を多く削る必要があります。
セラミックは金属に比べると衝撃に弱く、ある程度厚みをもたせる必要があるためです。
一度削った歯は元に戻すことができないため、健康的な歯を削ることに抵抗がある方は慎重に検討する必要があります。
強い衝撃で割れることがある
セラミックは硬い材料ですが、強い衝撃により割れることがあります。
特に硬いものを噛む際や、歯ぎしりする癖がある場合には注意が必要です。
セラミックが割れてしまった場合、再度治療が必要になり、追加で費用も発生します。
セラミック治療を受ける際には、日常生活での注意点やどのような状況で割れやすいかについて、歯科医師からきちんと説明を受けることが大切です。
セラミック治療についてのよくある質問
セラミック治療に関するよくある質問をまとめました。
- セラミック治療は絶対ダメと言われる理由は?
- セラミック治療の料金は?
- セラミック矯正との違いは?
- 保険治療の白い歯との違いは?
ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。
Q:セラミック治療は絶対ダメと言われる理由は?
セラミック治療には以下のようなリスク・副作用があります。
- 金属のみの被せ物や詰め物と比べて歯を多く削る必要がある
- 事前に根管治療や土台の処置が必要となる場合がある
- ごく稀に欠けたり割れたりすることがある
上記のリスクがあることから「セラミック治療は絶対ダメ」という意見が出ることがありますが、メリットもたくさんある治療法です。
特に天然歯のような審美性を求める方や二次虫歯などを防ぎたい方に適しています。
Q:セラミック治療の料金は?
セラミック治療の料金は、種類や治療の範囲によって異なります。
一つの歯に対する費用は、一般的に数万円から十数万円程度が相場です。
例えばオールセラミックの場合、10万円以上かかることが多いです。
インレーやアンレーなど、部分的な修復の場合は一部のセラミック治療より低価格で、数万円程度で治療できます。
Q:セラミック矯正との違いは?
セラミック治療とセラミック矯正は、同じセラミックを使用する点では似ていますが、その目的と方法が異なります。
セラミック治療は、虫歯治療や歯の破損修復を主な目的としています。
一方で、セラミック矯正は噛み合わせや歯並びを整えることを目的とした治療方法です。
一般的な歯列矯正とは異なり、歯を動かすのではなく、セラミックで出来た被せ物を使って歯並びを整えていきます。
Q:保険治療の白い歯との違いは?
保険治療で用いられる白い歯の素材には、主にコンポジットレジンが使用されます。
一方セラミックは保険適用外で、全額自己負担となるケースが多いです。
また双方の素材にも大きな違いがあります。
コンポジットレジンは柔軟で修復が容易なため、虫歯治療や小さな欠けの修復に適していますが、時間が経つと変色しやすく耐久性はセラミックに劣ります。
セラミックは自然な歯に近い色と光沢を持ち、変色しにくく、硬度が高いため長期的に美しい見た目を保つことが可能です。
このことから見た目や耐久性を重視する場合には、セラミックのほうが優れているといえるでしょう。
まとめ
セラミック治療はセラミック(陶器素材)を用いた被せ物や詰め物を使用する治療方法で、基本的に保険が適用されません。
しかし保険適用の被せ物や詰め物よりも優れた審美性・耐久性を持っているのが大きな特徴です。
セラミック治療にはオールセラミックやジルコニア、e-max、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、ラミネートべニアなどの種類があるため、自分の歯の状態や予算、重視したいポイント(審美性や費用など)に合ったものを選びましょう。
ラビット歯科では、自費診療のセラミックだけでなく保険が適用される白い歯『CAD/CAM冠』の治療に対応しています。
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