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こども予防歯科対策 解答集2023

2023.12.07

こんにちは。
 
春日部ラビット歯科 院長の吉田です。
 
 
園児の皆さん、そして園の職員の皆様、
歯科健診お疲れ様でした。
 
春日部ラビット歯科の治療方針をもとに、
小児歯科検診の解答集を下記に記します。
 
健診結果表に記載されている数字と照らし合わせ、
該当する番号を参照してください。
 
当院は引き続き、
大切なお子様の健やかな成長をサポートしてまいります。
 
  春日部ラビット歯科 院長 吉田覚
 


 
 

 
 
1.仕上げ磨き
そもそも子供は「なぜ歯ブラシをしなくてはならないのか?」が理解できません。仕上げ磨きを嫌がるのはむしろ当然です。子供のうちは仕上げ磨きの精度ではなく「習慣」が身に付くことを重視しましょう。鼻呼吸など正しいお口の機能と食生活が備わっていれば、子供のお口の環境は「唾液」が整えてくれます。また、口呼吸や歯列不正、口腔機能未発達によって、虫歯や歯周疾患のリスクが高いお子さんは、フッ素の使用や、細菌が作り出した酸を中和し、口腔内に歯の栄養となるカルシウムやリンを供給するMIペーストの使用、キシリトールなどの代替甘味料を使用して補うことをお勧めします。歯科医師や歯科衛生士と共に対応策を模索するのが大切です。
 
 

2.歯が生える時期
歯が生える時期はばらつきが大きく、平均に対し1年くらいの前後は普通にあります。前歯などは先天的に欠損していることも珍しいことではありません。1、2本ないくらいではお口の機能にもまったく影響はないので食事や発音にも影響はありません。ただし7歳くらいからの生え変わりの時期までに大人の歯が出てくるスペース(すきっ歯の状態が理想)が出来ていないと歯列不正になりますので、あらかじめ歯科医院での相談と定期的なチェックをしておきましょう。
 
 

3.子供の初期虫歯
初期齲蝕(うしょく)とは、歯の表面にある白い部分、エナメル質に限局した虫歯であり、歯の表面が白く濁ったり、歯の溝が茶色や黒くなったりする様子をいいます。子供の初期虫歯は大人に比べ、初期齲蝕から悪化するスピードが早いので、積極的な予防処置や短期間での定期検診が必要です。お口の環境によってはすぐに歯石になりやすい子もいます。歯石の除去は歯科治療に慣れていないと子供にはハードルが高いかもしれません。予防処置のフッ素塗布やシーラント(虫歯になりやすい歯の溝を樹脂でコーティング)は保険が効きます。MIペーストの使用も効果的です。
 
 

4.治療を要する子どもの虫歯
初期齲蝕(うしょく)からの進行は大人の歯よりスピードが速い傾向があります。また、乳歯は歯の中にある神経の空洞が広く、神経を取らなくてはいけない重度の虫歯にもなりやすいものです。症状が出てからの治療となると、麻酔をしなければ虫歯を取り除くことが困難なため、治療に慣れているお子様でないと精神面でトラウマになり、その後の歯科受診が困難になります。
当院では、歯にミネラルを供給する「MIペースト」を使用しています。虫歯の働きを抑え、口の中が虫歯になりやすい酸性から中性に戻して維持する作用を持っています。これに加えて、歯科衛生士による口腔清掃を行うことで、まず歯科医院に来ることに慣れていただき、さらに口の中を虫歯になりにくい環境にしてから治療を行っていきます。口の中を虫歯になりにくい環境にしてから治療を行うことで、虫歯治療の回数を最低限に抑えることができるのです。
実際、今の40代以上の方の多くは小児期に無理な治療をされ、「歯科恐怖症」と呼ばれるトラウマになっている方が多くいらっしゃいます。歯科での定期的な予防処置はすでに常識化している中、歯科に通うことにストレスを抱えてしまうとその後の健康面に大きな障害となります。
 
 

5.舌(ぜっ)小帯(しょうたい)
舌の下、真ん中にあるヒダの事です。これが先天的に短いと舌の運動を制限してしまうため、発音はもちろん飲み込みや歯並びにも大きく影響してきます。あまり短い場合は切開する事(麻酔が必要)で解決できます。舌の運動機能は乳幼児期での向上がその後の機能に大きく影響してくるので、極力早めに治療をする事が理想です。
 
 

6.いびき・鼻づまり いびきをすることがある・鼻が詰まっていることが多くある
小児は扁桃腺(へんとうせん)(口蓋扁(こうがいへん)桃(とう))と呼ばれる喉の奥にある気道(鼻呼吸時の空気の道)のコブが大きく、アレルギーや感染症などで少し腫れただけでもいびきをかきやすくなります。また、口呼吸によって口から外気を取り込むと腫れやすく、鼻呼吸しづらくなる為、さらに口呼吸を促進してしまうという悪循環が起こります。扁桃腺が腫れやすいアレルギー体質が原因の場合もあるので、耳鼻咽喉科との連携が必要ですが、骨格的に気道が狭い場合は小児期の骨格矯正により改善できます。
 
 

7.口呼吸 口で呼吸していることがある
人は酸素を取り入れる時に鼻呼吸する事で外気からの感染を防ぐ事ができます。口呼吸では感染を防ぐことはできないので、アレルギーや風邪症状、喉の痛みを起こしやすくなります。鼻呼吸に戻すには小児期にマウスピース(プレオルソ)などを使った訓練や、食事療法などがあります。
 
 

8.乳児(にゅうじ)嚥下(えんげ)
大人の正常な飲み込み方と異なり、赤ちゃんがミルクを飲む時の飲み込みの仕方(舌を前に出し、唇と頬を締めて飲み込む)が残ってしまう場合があります。奥歯でよく噛む事が苦手、鼻呼吸が苦手である事が特徴です。舌と唇、頬が過剰に収縮するので歯列不正の原因となります。マウスピースを使用した訓練などで改善が可能です。
 
 

9.硬い食べ物を嫌がる お肉など固い物を食べることを嫌がる
「奥歯で噛む」という機能の発達に関与します。鼻呼吸が出来ないと奥歯での咀嚼(そしゃく)中に息苦しくなるため、奥歯でよく噛むことができなくなります。また、普段から柔らかい物、小さい物など簡単に飲み込める物ばかりだと、前歯しか使わない「前噛み」の癖がつき、噛み合わせに異常が生じることもありあます。奥歯で噛むことを知らない子は、少しでも硬い物や大きい物を嫌う様になります。奥歯での咀嚼は上顎の成長と鼻呼吸の促進にもつながるので、成長期のお子さんには非常に大切な機能です。お腹が空いていなければ食べやすいもの、食べ慣れているものしかお子様は口にしません。そんな時は、適度な空腹感を与え食欲を上げてあげることで、多少難易度の高い食べ物も自分から工夫して食べることを促進できるので、口腔機能の自発的な成長が望まれます。
 
 

10.食事の時間・噛む回数・片噛み  食事の時間が長すぎる、短すぎると感じる
一口の食べ物を5回未満程度の少ない咀嚼(そしゃく)で飲み込んでいる
片方でのみ咀嚼(そしゃく)を行っていることが多い

総合的な食事の機能の熟練度を診ています。食事の時間が短く咀嚼(そしゃく)が少ないと咀嚼機能や呼吸の異常を疑い、食事の時間が遅すぎれば嚥下(えんげ)(飲み込み)機能の異常を疑う指標になります。よく噛むことについては全く問題ありません。片噛みは癖か噛み合わせの異常が考えられます。親御さんとしては、なかなか注意深く見られないかもしれませんが、小児期であれば訓練次第で容易に改善できることなので確認してみましょう。

 
 

11.歯並び
子供の歯並びは4歳位から徐々に上の歯の歯列が開いてきます。下の歯並びは6歳くらいからです。現代人は上の歯並びの成長が悪く、適度に隙間が空いているケースが少ないことが問題となっています。これは遺伝ではなく生活習慣の変化によるものです。乳歯より大きな大人の歯が正常に並ぶために隙間は必要なので、全く隙間がない場合には注意が必要です。また、歯並びは「親からの遺伝」ではないかと気にされる方が多くいます。難しい回答ですが、歯並びは遺伝と環境の要因が半々だと思ってください。顎の大きさや歯の大きさは遺伝しやすい要因ですが、親の歯並びが悪いからといってその子も悪くなるわけではありません。歯並びを決める大きな要因は生活習慣や環境によるものです。「硬い物を食べない家庭の子は歯並びに影響が出やすい」そんな感じです。呼吸方法や虫歯なども歯並びに大きく影響を与えます。

 
 

12.小児の噛み合わせ
小児で上の歯が下の歯に覆われている状態、反対の噛み合わせになっている、先端同士で噛んでいる等の場合は、早期の改善が必要と考えています。顔貌の成長は4才くらいに上顎から成長していきますが、反対の噛み合わせは上顎の成長を抑制してしまいます。逆に、上の歯が下の歯を大きく覆っている場合は、小児期では大きな問題ではありませんが、噛み締めの癖や無意識で舌を奥歯で噛んでいる癖の存在が疑われます。
噛み合わせのズレは長期的にみると顎関節の異常を起こしやすくなるので注意してあげてください。

 
 

13.唇の締まり テレビを見ていたり話を聞いている時に、唇が開いていることがある
自然体での唇の締まりを診ています。唇の締まりがないと上の前歯を抑える事ができず、出っ歯のようになる傾向があり、上の前歯が初期齲蝕で白濁してしまいます。上唇の筋肉発達や口呼吸の有無の判断材料にもなります。マウスピース(プレオルソ)などによる口腔機能の訓練で改善できます。

 
 

14.哺乳や食事のムラ 哺乳や食事の量と1日に求める食事の回数にムラがある
食のタイミングはその時の体調や運動量によってムラが出ます。小児は特にその影響が強く、空腹のタイミングに合わせた食事が理想です。甘い物やしょっぱい物は依存も付きやすく偏食になり易いので、間食や運動量を考慮して食育をしてみましょう。また、歯科では舌の診査もおこなっております。舌は体調変化や異常があると、形態や色を様々に変化させます。舌がマダラ模様になっていたり、シワが深くなっている様であれば、何らかの体調変化が疑われることもありますので、仕上げ磨きの際に確認してみてください。
 
 

15.ムセやすい・なかなか飲み込まない・流し込んで飲む
食事中や水分を摂る時にむせることがある
食べ物をなかなか飲み込まないことがある
食べ物を飲み込むときに飲み物で流し込むことがある

食べ物を口の中で咀嚼する事はできますが、飲み込む能力がまだ発達していない様です。飲み込みも練習により鍛えられる機能です。本人の能力に合わせた食形質を模索してみましょう。
 
 

16.食べこぼし 食べこぼしが見られる
唇や舌の機能、感覚の成長が強く関与します。また、スプーンやフォーク、お皿の形態など食事自助具の熟練具合にも影響しますので、本人の能力に沿った物の使用を検討してみましょう。
 
 

17.寝相 寝相が横向きやうつ伏せになることがある(横向き ・ うつ伏せ)
寝相の要因は乳幼児期の癖もありますが、喉の奥にある扁桃腺が大きいと、仰向けで寝る時、喉の奥が狭くなるので、うつ伏せ寝や横向きに寝る癖がつきやすくなります。寝相は歯列の歪みに強く関係します。特にうつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性が高くなるので積極的に仰向けになる様に工夫をしてあげましょう。
 
 

18.話し方・体型       話し方が早い、もしくは遅いと感じる
痩せ気味、太り過ぎと指摘されたことがある(痩せすぎ・太り過ぎ)

他の検査項目に対して性格や体質を考慮するためにお聞きしています。
話し方は、口呼吸の場合、一息で一気に話そうとするので早口になる、話すと苦しいからゆっくり話す、会話が短文になる、とも言われていますので判定をする要素になります。
体型は食に対する関心にも影響され、現時点で快適な食事の機能ができているか、食事の機能に問題があるかの判定の一つにもなります。
 
 

19.習癖(クセ・指しゃぶり等) 指しゃぶりや唇を噛む、舌を出すなどの癖がある
お口の機能の偏った発達や、筋肉バランスの偏り、骨格や歯列の不正につながります。精神的依存からくるものが多く、誰しも少なからずあるものなので無理な抑制はやめるべきですが、3歳以上はやめさせる事が推奨されています。
 
 

20.言い間違い・発音 喋る時に言い間違いや省略、発音不良を聞くことがある
舌や唇、歯列や骨格の発達不全が疑われる一つの基準になります。舌の下にあるヒダ(舌小帯)が長い、舌に対して歯並びが狭い、唇の締まりが悪い場合でも発音の障害となります。歯科で口腔機能の検査が出来ますので、早めに歯科に慣れておくことをおすすめします。
 
 

21.歯の色
子供の歯は大人に比べ着色しやすいものです。軽い着色に関しては特に気にする事はありませんが、明らかに部分的につきやすい場合は口腔機能の異常も考えられます。また、初期の虫歯は白濁してから表面が粗い茶色の着色をしてきます。転倒などちょっとした外傷などによって歯の中の神経がやられ、そもそもの色が変わる場合もあるので、歯科検診や精密検査をしてください。
 
 

22.歯の形態
乳歯には小さい歯、2つの歯がくっ付いた歯(癒合歯)、コブの様な物がある歯、又は生えてこない等は、全く珍しい事ではありません。ただ、生え変わりの時期から歯列や骨格の成長阻害となる場合も多いので、定期的な歯科受診が必要です。
 
 

  
 

以上になります。
 
 

  〜 終わりに 〜
 
ほんの十数年前と比べても、
現在の歯科医療は『予防』に力を入れる様になっています。
  
成人の方でお仕事で忙しい中でも、
御自身のお口の健康に対して重要性に気付き
定期的な予防歯科治療を希望される方が増えており、
春日部ラビット歯科としても喜ばしく感じております。
 
予防歯科治療はお子様にとっても非常に大切であり、
以前と異なり、保険診療の中での予防処置も増えております。
 
ただ、お子様にとって歯医者さんの椅子に座ることは恐怖であり、
大人にとって手術代に乗せられるようなものだ、と考えています。
親御さんにとっても、嫌がるお子さんを連れて来る事は大変だと思います。
 
そのためにも、
早めに歯医者さんに慣れさせてあげてください。
 
春日部ラビット歯科では、
お子様が通いたくなってくる様な工夫を
常に考え実行しております。
 
春日部ラビット歯科が
大切なお子様の健やかな養育の手助けになれれば幸いです。



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